トンネルからの脱出
はじめに
まず一度シナリオをやってみたい!
そんな方初心者の方向けにとにかく短く終わる、簡単なクトゥルフのシナリオを用意しました。
初心者のKPでも安心できるように、シナリオの目的はトンネルから脱出するだけに限定。
始めてのオンラインセッションや、学校のお昼休みでのプレイにどうぞ!
シナリオ概要
- プレイ時間:30分
- 難易度:とても簡単
- プレイ人数(KP除く):2~4人
- 神話生物:食屍鬼
シナリオ
事前情報(プレイヤーにも共有)
探索者は昔からの友人同士である。
以前から地元には、入ると帰ってこられなくなると噂の「おばけトンネル」があった。
おばけトンネルは全長20mほど、高さ3mほどの人が通るための小さいトンネルである。
入口の反対側は天井の崩落のため塞がれており、行き止まりとなっている。
それは少し山を登ったところにある古いトンネルで、最後に行ったのは小学生の遠足くらいだったろうか?
導入
居酒屋。ビールとおいしそうな料理はほとんど空いており、それぞれが楽しそうに話しているだろう。
皆さんは地元の同窓会に参加していた。ある程度酒が回ったあと、昔遠足で言ったおばけトンネルに行ってみないか?といった話になった。
探索者たちは同窓会を少しだけ早く抜け、タクシーを呼んだ。
セダン型のタクシーに乗り込むと、運転手にGoogle mapで調べたおばけトンネルの住所を伝え、そこまで案内してもらう。
居酒屋からおばけトンネルまでは8km程度、30分もあれば十分に到着するだろう。
車内で会話も盛り上がっている。山を登り始めると、ガードレールの先にはたくさんの杉の木が見え、通り過ぎていくばかりだ。
トンネルへの侵入
トンネルは道路から20mほど踏み入ったところにある。タクシーからおろしてもらった後、落ち葉をザクザクと踏みながら君たちはトンネルの目の前に到着した。
スマートフォンのライトで照らすと、外装はコケで覆われており、ほとんど人の通りがないことがわかるだろう。
トンネルは小学生のころの遠足で見たときとほとんど変わっていない。ただ、昼間と深夜に見るのでは印象がだいぶ異なっており、トンネルの奥の暗闇からは今にも何かが出てきそうだ。
道路がある方を振り返っても、こんな時間だからか車の通りは一切ない。
探索者はスマートフォンのライトをつけてトンネルに入るだろう。ライトはおおよそ前方3mほどを照らすことができる。
夜とトンネルの静けさも伴い、探索者の口数はだんだんと減っていくだろう。
ゆっくりとトンネルを進んでいく。
【ここで全員聞き耳を振ってください。】
- 聞き耳成功の場合 トンネルの奥からかすかに息遣いが聞こえる気がした。
- 聞き耳失敗の場合 何もなし
トンネルに入って10mほど進んだところ、
【ここで全員1D100を振ってください。】
数字が一番高かったものは、トンネルの床に転がる何か軽いものにつまづく。
何に引っ掛かったのかはスマートフォンのライトを向けないと見えない。
向けた場合、それは人の頭蓋骨であることがわかる。
人の死を連想させるそれを見た探索者はSANチェック。0/1。
トンネルの奥にたどり着いた。天井が落ちてしまっているため行き止まりとなっている。ごつごつとした岩やコンクリートが重なり合って壁となり、道を塞いでいた。
【ここで全員目星を振ってください。】
- 目星成功の場合 行き止まりの壁に何か違和感を感じる
- 目星失敗の場合 何もなし
ここでいきなり壁の何かが動きだした!(岩のような神話生物はいるのか?モンスターでもいい))
咄嗟にスマートフォンの明かりを向けると、そこにはゴムのような質感の左手、右手が付きだしている。人間の腕ではない。
化け物の腕はがれきをかき分け進み、やがて探索者の前に全身を表した。
それはゴムのような弾力を持つ肌をしている亜人で、全身から饐えた臭いを放っている。ヒヅメ状に割れた足、犬のような顔、そして手にはかぎ爪を備えている、人ではない何か。
それが一体、がれきの中から、探索者の前に現れるだろう。現実離れしたその姿は、おばけトンネルの噂が本当であったことを確信させた。
【SANチェックです。0/1D6】
トンネルからの脱出
目の前の化け物はこちらに向けてゆっくりと歩き始める。探索者はトンネルの外に逃げてもいいし、彼と戦ってもいい。
- 食屍鬼のステータス
- STR 16
- CON 13
- SIZ 13
- INT 13
- POW 13
- DEX 13
- ダメージボーナス(DB) 1D4
- 攻撃手段 かぎ爪・噛みつき 30% 1D6+DB(1D4)4
- 装甲 飛び道具・銃器のダメージを半減する。(端数切り上げ)
- 呪文 なし
探索者が二人いれば十分勝利できる相手である。三、四人であれば1,2ターンで殴り勝てるだろう。
トンネルは一本道であるので隠れることはできません。
探索者が会話を試みるまではこの情報を伝える必要はないですが、食屍鬼は日本語を理解できる。彼の目的は、自分の隠れ家を守ることだ。
彼は遭遇直後は興奮しているが、【言いくるめ】【信用】などの会話系の技能に成功すれば、会話を試み平和的な解決も可能だろう。
(戦闘する場合)
上記ステータスの食屍鬼と戦闘処理を行ってください。十中八九探索者が勝利する。
(逃走する場合)
探索者とDEX対抗ロールを振らせてください。DEX対抗ロールに失敗した場合、失敗したうちの誰かに食屍鬼が追い付き、かぎ爪での攻撃を 加える。回避ロール可能。
トンネルからの逃走
(逃げた場合)
トンネルから踏み出すと、あの生き物はトンネルの入り口でぴたりと止まり、皆さんを恨めしそうに見やったあと、奥へとすごすごと引き換えしていきます。
あの化け物は一体なんだったのか?今となっては誰もわかりません。しかし、あの恐怖は心に刻み付けられています。
(倒した場合)
恐ろしい化けものを倒した後、トンネルから皆さんは脱出しました。体にはあの化け物に打ち込んだこぶしや足の感覚がまだ残っているでしょう。奇妙なゴムの質感を蹴り飛ばしたあの触感。思い出すべきではないでしょう。
(共通)
そして皆さんは再びタクシーを呼び、それぞれの家に帰っていきました。日常に戻ってもあの記憶は脳裏に強く焼き付いています。新しい恐怖がすぐ後ろに迫っているような。そんな感覚は二度と消えることはないでしょう。
おわりに
以上で終わりです。20mのトンネルの中で神話生物に追われ、逃げるか戦闘するかを選ぶだけのシナリオでした。
基本的にこれ単体で大きな動きはなく、次のシナリオにつなげてもらえると嬉しいです。
クトゥルフ神話が初めての方でも描写は簡単で、お昼休みに気軽にプレイできる程度の長さになっています。
最初のシナリオとしてぜひお試しください!
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