
マルチ商法の勧誘員がおすすめしてくる本だから。
金持ち父さん貧乏父さんがやばいと言われる理由を解説します。
こんにちは、ツイちゃんです。21歳の無職です。
前提としてお話しておきますが、私は「金持ち父さん貧乏父さん」は非常に素晴らしい本だと考えています。
- ぜいたくをしないで投資をしよう
- クレジットカードを使って借金をしてはいけない
- 収入が増えても支出を増やさないように
この本から得られるごく一部の教訓ですが、あくまで素直に、正直に読めば、
「お金があってもぜいたく品を買ったりしないで、貯めたり投資に回したりしよう!」
という教訓を得られる、すばらしい本なのです。
しかし、この本は、とある状況において、人を人生から突き落とす最悪の本となります。
それはどういうシチュエーションか? もうあなたは気づいているかもしれません。
そうです、マルチ商法に誘われるときです。
金持ち父さんはマルチ商法の勧誘に最適
金持ち父さんの中では、
「自分のビジネスを持て」
「お金に働かせろ」
という教えも説かれています。
自分がその場にいなくても、他の人間を雇ったり(自分のビジネス)、投資した資産から配当などを受け取ったりして、利益を得ようという考え方です。
もちろんこの考え方は良いものです。ただ、この表現は、マルチ商法にそのまま適用できます。
おや、昔の友人からLINEが来ましたね。
「ねえ、食事に行かない? 最近のこととか話そうよ」
あなたは中学時代を思い出し、懐かしい気持ちを感じながら、ファミリーレストランに向かいます。
ファミリーレストランにつくと、そこにはかつてと変わらない友人の姿がありました。
「変わってないねー! ほら、食べよう、食べよう!」
あなたと友人は料理を注文して、少し昔の思い出話をしてから、運ばれてきたカルボナーラをおいしくいただくでしょう。
料理も食べ終わり、ゆっくりとコーヒーを飲んでいるなか、友人が話題を切り替えます。
「そういえばさ、最近おもしろい本読んでさ!」
「えっ、なになに? どういう本?」
友人はカバンのなかから、むらさきの背景に黄色の文字が書かれた表紙の本を取り出しました。
「この、金持ち父さん貧乏父さんって言うんだけど、すっごいおもしろいんだよ! お金の常識が勉強できるから、絶対に読んだほうがいい!」
「へー、おもしろそう!」
「貸してあげるから、よかったら読んでみて!」
「ありがとう! 今度感想聞かせるね!」
そして二人はファミリーレストランをあとにしました。
あなたのスケジュール帳には、一週間後にふたたびその友人と会う予定が書かれていることでしょう。
金持ち父さんを読むと衝撃を受ける
金持ち父さんには、私たち一般人が思いつかないようなお金に対する考えがたくさん書かれています。
金持ち父さんを読むと、自分のお金に対する常識をかたっぱしから否定されるのです。
お金の常識を否定され、新しい考えを叩きつけられ、金持ち父さんを読んだあとの数日間は、お金ってなんだろう? と何がなんだかよくわからなくなっている状態になります。
おや、友人との食事の予定の時間が来たようです。
かつての友人と食事に行ってから一週間経ちました。
ぐちゃぐちゃになった頭をベッドから持ち上げ、身なりを整えたあなたはファミリーレストランに向かいます。
もちろん、ファミリーレストランには友人と、たまたま、偶然居合わせた、友人のマルチ商法におけるアップ(上司)がスタンバイしています。
楽しい食事になりそうです! もちろん食事が終わるころには、あなたは立派なマルチ勧誘員となっていることでしょう。
自分のビジネスとマルチ商法を結びつける
あなたは、マルチ商法の仕組みを知っていますか?
そうですね、例えばあなたが勧誘員になったとしましょう。
本来はもう少しだけ複雑なのですが、とにかくわかりやすく、単純化した説明をします。
- あなたは友人5人を誘う
- 友人5人はさらに友人5人を誘う
- 友人・友人の友人らが参加際の入会金や、商品購入時の利益があなたに還元される
マルチ商法の勧誘員は、この「友人・友人の友人らが参加際の入会金や、商品購入時の利益があなたに還元される」状態を自分のビジネスだと主張します。
金持ち父さんにおいての自分のビジネスと、マルチ商法を結びつけるのはかんたんなことです。
お金の常識を否定されて混乱した状態のあたまに、マルチ商法の説明はかんたんに吸い込まれていくことでしょう。
チャンスは今しかない
金持ち父さんの冒頭は物語形式で進みます。
その中で、ひときわ印象に残るセリフをご紹介しましょう。
お金の勉強をしようとしている主人公は、経営者である友人の父親から、お金の勉強をするかしないか選択を今すぐ迫られるシーンがあるのです。
「いや、だめだ。いますぐ決めるんだ。私は忙しいんだ。むだにする時間はない。いまここで決められないのなら、どっちにしても金儲けの方法をマスターするのは無理だ。チャンスは来たと思ったらすぐに行ってしまう。すばやく決断すべきときがいつかを知るのはとても大切なことなんだ。いまきみたちには待っていたチャンスがやってきた。十秒以内に決めないと、この授業は終わってしまうよ」
筑摩書房 金持ち父さん貧乏父さん P32より
当たり前ですが、このあと主人公とその友人はお金の勉強をおさめ、金持ちになります。いやはや、おめでたいですね。
金持ち父さんを読んだあとには、チャンスを逃してはいけない! という意識が、まるで映画をみたあとの高揚感のようにいくらかの間感じられます。
金持ち父さんを読ませたあとのマルチ商法の勧誘はかんたんです。
- 金持ち父さんによってお金の常識を破壊された人が、
- 金持ち父さんに出てくる自分のビジネスを持つという夢を見せつけられ、
- 金持ち父さんの主人公のように、今すぐ、やるかやらないかの選択を迫られる。
勧誘員のアップ(上司)「もちろん君がやらないなら薦めないよ、でも、チャンスは今しかないよ?」
金持ち父さんを読んでハイになったあなた「やります! どうすればいいですか!」
こうして、晴れてあなたはマルチ商法の勧誘員になれました!
いやあおめでたい! 自分のビジネスを頑張って切り開いていきましょう!
荒れ狂う嵐のような感情に身を任せて勧誘員人生をお楽しみください!
その先にあるのは奈落ですが、あなたは楽しそうなので大きな問題ではないはずです。
おわりに
金持ち父さん貧乏父さんががやばいと言われる理由を解説しました。
人からおすすめされた時点で、マルチ商法に勧誘されているくらいの認識を持っても大きな損はしないはずです。
ただし、自分一人で読むという前提であれば、金持ち父さんは素晴らしい本です。
最初に書いたとおり、「お金をぜいたくなことに使わないようにしようね」という非常に単純な教訓を、しっかり理解して学ぶことができるのですから。
ですから、私はあなたに金持ち父さんをおすすめします! あなたの新しいお金の常識はすぐそこです!
そうだ! 今度私と一緒に食事に行きましょう! 場所は駅前のファミリーレストランにしましょう! もちろん金持ち父さんを読んだあとに来てくださいね!
筆記用具とメモの準備も忘れずに! 当日は私の尊敬する素晴らしい人とビジネスの話をしますからね。
さあ! まずは金持ち父さんを買いましょう! 話はそれからです!
さあ、さあ、さあ!
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